21世紀まで生きてみて

1242e.jpg

 今月の4日に発送されたバイシクルリフトがようやく羽田に着いた。実に17日間かけてドイツから日本にやって来たわけで、その輸送経過を辿ってみるといろいろと興味深い体験ができた。

 上のログはドイツポストのトラッキングデータを転載したものだが、実際に航空機に積まれて移動しているのは24時間足らずで、実は残りの16日間は別の航空機への載せ替えや空港の倉庫に留め置かれていた時間なのだ。
 もちろんコロナの影響もあるだろうが、安価な輸送方法(SAL便)を選ぶと混載便に搭載する順番待ちの時間がやたらと長くなるので、結果的にこういう事態になるというわけだ。

 時系列でログを辿ると、今回の輸送ルートはフランクフルト空港からイスタンブール空港を経由し、そこから羽田までの直行便に載せられたことが分かるが、面白いのはイスタンブールからの便のフライトナンバーが記載されていたことだ。
 「TKO198」というのがそれだが、これが分かればフライトの様子がリアルタイムで把握できるので、ヒマな時だといつまでも飽きずに眺めてしまうこともあるくらいだ。

 ちょうどこの日も時間があったので、イスタンブール空港を出発したトルコ航空機のフライトを時折チェックしていたところ、まず最初に気付いたのはロシアが戦争を始める前と違って飛行ルートが大きく変わっていることだ。
 以前ならフランクフルトからロシアの上空を通過して日本へ直行するのがよくあるパターンだったが、今はロシアとウクライナ上空は飛べないのでこういうルートを取るか、さもなければもっと時間の掛かる南回りで向かうしか無いのだろう。

1242a.jpg

 さて、イスタンブール空港を飛び立ったTKO198便はすぐさま黒海の南岸沿いを東へ向かい、そのままカスピ海を横断してウズベキスタン上空を通過する。
 この辺りまではモニター上を移動する機影をずっと眺めていたのだが、何しろ時速1,000km前後で飛行するものだから、分単位の移動距離にしたって大したものだ。マップを拡大すると、まるでガーミンのデータログを見るように刻々と位置が変わっていくから、かなり面白い。

1242b.jpg

 やがて新疆ウイグル自治区上空からモンゴルのゴビ砂漠上空を通過し、その後中国・北京近郊の上空を経て朝鮮半島の仁川に至る。機はそのまま朝鮮半島を横断して隠岐の島の南端をかすめるように飛び、やがて兵庫県の諸寄駅上空で初めて本州に到達する。
 そこから滋賀県大津市の近江舞子上空から琵琶湖を横断するのだが、さすがにここまで来ると、はるばるイスタンブールから9,000km/11時間の長旅に随伴してきた者として、リアルに感動してしまうから不思議なものだ。

 さらに機は三重県桑名市のナガシマスパーランド近辺の上空から伊豆半島南端に向けて飛行し、その後伊豆大島上空で大きく左に旋回して東京湾に進入して、そのまま羽田空港の滑走路に滑り込むが、正直言って見ているこちらも結構疲れた。

1242c.jpg
11月21日午後7:43、羽田空港A滑走路に無事到着。

 というようなわけで、今回はバイクリフトと共に自分も一緒に旅したような気分に浸れたのだが、現代の航空機の速度というものを改めて実感する機会にもなったのは思わぬ収穫だった。
 航空機(旅客機)の速度自体、1970年代にボーイング747(ジャンボジェット)が登場して以来それほど変わっていないものの(※英・仏が共同開発したコンコルドを除く)、やはり1時間に1,000kmも移動できる手段は今もってこれしかない。

 航続距離にしても、一回の給油で1万kmも飛べるとなると地球の4分の1周分に相当するので、大抵の都市を直行便で結ぶことができるようになったわけだが、昨今のロシアとウクライナの状況からも分かるように、それを妨げるのは政治的な理由に他ならない。
 ただ、航空機にしても日本の新幹線にしても、これ以上速くなったところでそれほど便利にも幸せにもならないとおもうから、もうこのあたりで十分な気がするし、むしろCO2による温暖化の問題を考えれば、恐らく近い将来にはかなりのスピードダウンを強いられる可能性のほうが高いんじゃないか。

 すなわち、一回のフライトで膨大な量の化石燃料を燃やして飛ぶ航空機の場合、今後も同じような方式の動力で飛び続けることは考えらないし、ひとつの打開策としてソーラー式の飛行船や帆船の復活だってあり得るかもしれない。もしかしたら、「天空の城ラピュタ」は地球の未来図を見せてくれていた、ってことにもなりかねないということだ。

 偶々誰もが現実的な金銭を支払うことで数日以内に世界中のどんな辺鄙な場所にも行くことができる時代に生き、また誰もが日常的に世界中の物品を数日で取り寄せることができるというのも、全ては航空機と物流システムの発展によるものだが、そういった恩恵をこれからも享受できる保証はどこにもない、というのが21世紀の今の立ち位置に違いない。

 今回はひょんなことから私のバイクリフトを積んだ飛行機を追跡してみて、最後に頭に浮かんだのはこういうことだったというのは自分でも驚きだが、どんなパーティーも永遠に続くわけじゃないし、いつか必ず終わる時が来るんだということを、ついつい考えてしまったという話。


5年ぶりの北青山・表参道

1241b.jpg
表参道からクレヨンハウスのある通りを進んだところにあるギャラリー。

1241a.jpg
伊庭野氏ご夫妻。

1241c.jpg
平日でも表参道界隈は物凄い人出で賑わっていたが、今日は運良くパーキングメーターに停めることができた。


 画家の伊庭野 肇氏の個展会場を訪問するために、昨日修理を終えたばかりのゴルフ・カブリオレで表参道まで行ってきた。
 氏の作品展に行くのは二度目で、前回は2017年11月だったから実に5年ぶりということになる。

 絵画については完全に門外漢の自分だが、前回の作品と比べると作風がさらに若々しくなっていて、見ているこちらがとても溌剌とした気分になってくるから楽しい。
 創作行為には年齢など関係無く、若くて健康な精神がものをいうことを改めて実感するが、こうして常にいろんな手法にチャレンジしたり、新しい素材を求める姿勢を目の当たりにすると、氏の制作意欲は当分衰えることはないだろう。

 中でも驚いたのは、それぞれの作品についてご本人から制作エピソードを伺っていた時に、「ちょっと触ってみて」と土を練り込んだカンバスの表面を指先で軽く触れてみるように言われたことで、こちらとしては「えっ、作品に触ってもいいんですか?」とおもわず聞き返してしまいそうになったくらいだ。

 普通なら『作品には触れないでください』という注意書きが貼ってあっても良さそうなのに、どうやら伊庭野氏の考えでは「アートは五感を駆使して感じるもの」としてあるようだ。
 これにはビックリというより、実はこの日一番に感動した出来事だったのだが、自分としてはこういう自由な発想や姿勢を持つ人こそ、ホンモノのアーティストに違いないという気がするのだ。

(※上記のエピソードは製作者本人の許可があったからできたことであって、他の会場でもそうですが、無暗に作品に触れると当然叱られますのでご注意ください)

 IBANO展 Gallery Concept 21 (北青山・表参道)
 2022.11/15 - 11/20 11:00-18:00 (最終日 15:00)


 

Rockshox PIKE Select から ZEB Ultimate に

1240.jpg

 現在Tracerに付いているFフォークはRockshox PIKE Selectである。
 もちろん自分の腕前と走る場所を考えたらこれで十分なのだが、昨年とつい先日の二回、私よりずっと上手な人(二人)から「ZEBは良いよ~」と異口同音に勧められた。

 何がそんなに良いのか尋ねると、とにかく剛性が違うという。おかげでバームのターンなどでフォークが撚れることなく、狙ったラインを走ることができるそうだ。
 他にも、サスペンションの動きがバターのように滑らかだとか、素晴らしいフォークだが、唯一の欠点は高価なことだ、といった評価がネットにも溢れていて、とにかく買っても後悔しないくらいに良いフォークなんだろうな、ということは察しが付く。

 ただこのZEBというフォークに限らず、自転車のパーツというパーツは未だに欠品続きで、あったとしても物凄い勢いで高騰している最中だ。
 因みにZEB Ultimateの最新モデル(2023年)の希望小売価格は旧価格が¥189,200(税込み)だったのに対し、 2022.07.15以降は¥225,500(税込み)と、一気に¥36,300も値上げされている。
 もうこうなると、どんなにZEBが素晴らしいフォークだとしても一瞬で買う気が失せるというものだ。

 そんなこともあって暫くZEBのことは頭から消え去っていたのだが、昨年BELLのヘルメットを格安で買ったショップ(GOOD OPEN AIRS myX)のサイトを偶々見ていたら、2021モデルのZEB Ultimateが40%OFFの¥100,320(税込み)で出ているのを見つけた。
 実は2021モデルと最新の2022-2023モデルの中身は完全に別物と言ってよいくらい違っているのだが、2021モデルのZEB Ultimateに限っては2022-2023モデルと互換性があり、後日アップグレードパーツに換えることで、ほぼ2022-2023モデルと同等の仕様に変更することができるのだ。
 但し、アップグレードできるからといっても別にそうしないといけないわけではなく、もちろん2021モデルのまま使ってもよいわけだが、そこは「やろうと思えばいつでも最新モデルにできる」という心理的な余裕がもたらすメリットに着目すべきであろう。

 だが問題はやはり金額だ。いくら優れたフォークでも、今この金額を新しいフォークに充てるのはどうなのだ? 
 ここで数日悩むことになるのだが、最終的に背中を押したのはPayPayモールとYahoo!ショッピングのポイント還元率で、購入のタイミングと支払い方法さえ合えば、最終的に21%のポイント(21,033円相当)が戻ってくることが判った。
 商品価格(¥100,320)からこのポイントを差し引くと¥79,287になるので、2021モデルとはいえZEB Ultimate の新品がこの値段なら、そんなに悪い取り引きでも無いような気がしてきた。

 そうして手元にやって来たZEB Ultimateが冒頭の画像だが、残念ながらこれをそのままTracerのPIKEと交換するわけにはいかない。何故なら購入時にストロークが180mmのモデルしか選べなかったので、このままではTracer本来のストローク(160mm)より20mmも長くなってしまうからだ。
 ここはストロークを160mmにするか、長くても170mmには抑えたいので、PIKEの時のように今回も160mmもしくは170mmのUPGRADE KIT(DEBONAIRまたはDEBONAIR+)を手に入れる必要があるということだ。

 因みに、手首に伝わる微振動を軽減する効果があるという触れ込みのButter Cupを備えたDEBONAIR+は未だ市場に出回っておらず、早くても来年の春以降まで待つことになるだろうし、既存のDEBONAIRにしても今のところ国内での入手は無理そうだ。
 それより何より、フォークに打ち込むCane Creekのクラウンレースすら手に入るかどうか分からない状況なので、実際にZEBの感触を味わえるのはまだ当分先になりそうだ。


ようやくゴルフが修理工場へ

1239.jpg
代車はGOLF 7のレンタカー。おまけレンズでおもいきり逆光で撮ったら凄いことになった。

 7月10日に首都高で追突されたゴルフ・カブリオレ。
 その時の状態のまま4か月近くが過ぎ、ようやく修理に取り掛かることになった。
 ここまで遅れたのはひとえに修理工場の予約が満杯だったせいだが、それにしてもこんなに待たされるとは。これじゃ、うかうか追突もできないじゃないか。w

 事故の張本人である加害者の中年女は終始誠実さの欠片も無い対応で、事故の直後から「頭が真っ白になって前の車(私のゴルフ・カブリオレ)にぶつかったかどうかも分からない」と不思議なことを言い出し、挙句の果てに私のドライブレコーダーの動画を観た警官と女の保険会社から「間違いなくぶつかっていますよ」と言われても、「警察と保険会社が言うのだから多分そうなんでしょう」と、まるで他人事みたいにうそぶく始末だ。

 しかも相手の保険会社というのが業界でも評判の悪いことで有名な会社で、昔は業界人の間で「ヤクザ生命」と揶揄されたほどの筋金入りなんだそうだ。
 実際、自分も事故の後で肩と腕の痛みから一晩中寝られなくなって整形外科に通院し始めたところ、「当社の規定では、通常その程度の怪我は30日が補償の限度となっておりますので、それ以上の日数を通院される場合は自費でお願いします」と、医者でもないのに勝手に診断を下してくるから呆れる。

 彼ら(彼女ら)に特徴的なのは、自社の規定では「そうなっている」とか「そう決まっている」という言い方を多用することで、まるで自分たちで都合よく決めた社内規定を世の中全体のルールや常識であるかのように断定的に言ってくるので、話を聞いているこちらとしては何だか上から目線で向こうの有利なほうへ強引に誘導されているような気がして、非常に不愉快極まりない。
 考えてみれば先方は毎日そのような交渉事を仕事にしている連中で、対するこちらは今回のようなふざけたドライバーも初めてだし、狡猾さ満点の損保会社を相手に、こういうことに全く不慣れな自分が一人で立ち向かうのはあまりに分が悪い。

 そこで自分が加入している損保会社(イーデザイン損保)に相談すると、私が契約している任意保険には弁護士特約が自動的に付帯していて、今回のようなケースでもそのサービスが利用できるので、「ぜひ使ってください!」とアドバイスしてくれた。
 すぐにその手続きを依頼するとともに、相手の保険会社にも連絡を入れて「これまでのような一方的且つ高圧的な態度を変えない限り、弁護士に一任することも視野に入れる」と伝えたところ、突然その数日後に「担当者が変わりました」と通告してきたから、先方も臨戦態勢に入るべく、手練れのスタッフに交代させたのだろう。

 その結果、今では相手のドライバーは勿論のこと、相手の保険会社とも直接関わることが一切無くなったので、それだけでも相当なストレス軽減になっている。
 クルマの修理は順調にいけば今月中には終わるそうなので、今回の事故の補償問題も含めて、すべて年内に決着すればいいなぁ、というのが正直な気持ちだ。


執念の賜物

1238a.jpg

 昨年の今頃、富士見パノラマに行った際に痛感したバイクの運搬方法だが、あれから苦節一年、とうとう念願だった新品のバイクリフトを買うことができた。(※バイクリフトの詳細はhttps://oarlessboat.blog.fc2.com/blog-entry-1008.htmlに)

 このバイクリフトは販売が終了してから既に10年くらい経っていて、今になって新品を手に入れるのは至難の業といえるのだが、しつこく、諦めずに探し続けると夢は叶う、という見本のような結末で、感激もひとしおである。
 実はこのバイクリフト、実際にBMWやVWのアクセサリーカタログに載って流通していた2000年~2010年頃は北米・ヨーロッパ・日本で普通に買えたものの、今ではごく稀にドイツのebayで見かける程度で、もちろんその殆どは中古である。

 また、もしも運良く中古のバイクリフトを見つけても、大抵の出品者は日本へは発送しない旨の表記をしているのが通例で、すんなり入札できることはまず無いのが厄介なところだ。
 つまり、入札する前に出品者へ「日本へ発送していただけますか?」というメッセージを送り、相手がそれを了承してくれた上にebayの設定を変更してもらってから入札するという段取りなのだが、これを横着して事前の打診無しにいきなり入札してしまうと、後で思わぬトラブルになる可能性があるからだ。

 その点、今回の出品者は応答のレスポンスも早いし、すぐに送料を調べてくれたので、実質二日間で支払いまで終えることができたのはラッキーだったと言えよう。
 ちなみにE46に装着するビルシュタインのダンパーとアイバッハのスプリングをドイツから買った時も同じようなスムーズさだったから、クルマ関係のパーツを扱うドイツの会社は総じて輸出にも慣れているせいか、一種の安心感がある。
 
 さて、こうしてバイクリフトが手に入ったからには、既に入手しているベースキャリア(フットとウィングバー)に取り付けるだけで完成状態になるのだが、生憎富士見パノラマはもうすぐシーズン終了だ。
 実は富士見パノラマへは先日の日曜日に行ってきたばかりなのだが、別に他のコースやトレイルへ行っても良いわけだし、何ならロードを載せて栃木や茨城へ遠征するのもよし、バイクリフトのおかげで車内の空いたスペースに荷物を存分に放り込むことができるようになるだけでも、随分使い勝手が良くなる筈だ。


プロフィール

ボートマン

Author:ボートマン
Intense Tracer T275c, Cervelo RS, Scapin, Kona Kula, Commencal Ramones, GT Nomad, Golf Cabriolet, BMW E46 325i M-Sport

カレンダー
10 | 2022/11 | 12
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
リンク